「た、高木ケイ!!??」

大きな目をもっと大きく開いて、そう言ったカノンに俺は苛立ちを覚えた。

高木ケイ・・・・・って・・・・。

確かに俺もカノンの事フルネームで呼んでるけど。

向こうは(たぶん)俺の事知らないからしかたないけど。

けどさ。

急にフルネームで呼ばれたらショックっていうか。

昔は俺の事“ケイ君”って呼んでたのに。

って、自分餓鬼かよ。

「何!?この体制〜!?」

「ちょっと!離してよっ!!変態!痴漢!!」

人が黙っていれば・・・・バタバタ暴れながらギャーギャー騒いでるし。

俺は、腕の中にいるカノンをギロリと睨んでやった。

「それが命の恩人に対する態度かよ??」

危機一髪のところを助けてやったってのにこの言われようはさすがにないだろう。