案の定、カノンは悲しそうな顔をして笑顔を見せた後、教室を出ていってしまった。

・・・・・何やってんだよ、俺・・・。

これじゃぁ、俺が“ケイ”ってことを言いにくくしただけじゃねぇか・・・。

カノンも傷付けたし。

最低だな・・・・。

「・・・教室戻らないとな。」

進路資料室を出て、クラスへ向かっていく途中、俺は、今後の事について考えた。
考えたっつっても結局何にも考えなかったんだけど。
ていうか考えられなかったし。













次の日の朝。

俺は、いつも通りの登校をしていた。

どこにでもある普通の横断道路で信号が変わるのを待つ。

・・・・あれ??

あそこにいるのって・・・。

カノンか??