「連絡が遅くなってすまなかったな、……ミーシャ。」


ミーシャって、誰の事だ?
俺は、心の中で突っ込みつつ、聞こえてくる声に耳を傾けた。























「それで?
 学校の方は、どんな感じだ?」



ミーシャと呼ばれている人が、小声で返事を返した。
声の低さを考えて、おそらく、男だろうな。




















「まだ分からない。
 俺的には、雨宮が怪しいと思うんだが、……何せ、確証がないからな。
 手がかりとか、あれば良いんだけどな。
 意外に、これがまた厄介な仕事になりそうだ。」


困ったような、それでいて、どこか愉快そうに答える、藍斗の声は、
さっきまでとは違い、妖絶な雰囲気を醸し出していて、俺は、思わず、息を呑んだ。