Secret Prince

その総統に拾われ、俺は、この世界で育った。
容姿には恵まれていた事もあって、小遣い稼ぎのために、
俺は、芸能界にも進出した。
小遣い稼ぎのつもりが、思いの他ブレイクしてしまったのは予想外だったけど。
確かに、中性的な顔立ちという事では、俺は恵まれていたのかもしれない。
華やかな表舞台に立つ事が許されたのは、俺が、裏方だから。
新聞を騒がせたり、マスコミを煽るような真似はしない。
そこが、ミーシャとは違う所だ。
















俺のこなす仕事には、完璧なサポートがつく。
ミーシャのような一匹狼じゃない。
それだけ、俺の仕事が重大で、なかなか大がかりなものだから。
裏方と言いながら、大きな仕事をこなして、それでいて、
事が公にならないのは、背後で徹底的な口封じが行われているから。
派手好きではないが、地味な事務作業は嫌いだった俺は、
主に、潜入調査を踏んで、盗みに入るという、二段構えの仕事を任される事に
なったのだ。


































それで、今回のサポート役が、ミーシャなのだ。
ミーシャとは、この世界で仲良くなった。
俺の、数少ない親友だ。
彼、ミーシャ、19歳も、俺より2個上なのだが、
その見た目からは想像できないような過去を背負っている。
前に、一度聞いてみたが、曖昧に微笑まれて、誤魔化されて、それっきりだ。