見ると、藍斗は、苦しそうにしている悠里の身体を優しく抱きしめていた。
悠里は、徐々に息が落ち着いてきて、やがて、藍斗の胸の中で、
静かに瞳を閉じたようだ。




































「ね、大丈夫でしょ?」


「アイツ、あんな強いから、てっきり、そっちの方向もバッチリかと思っていたが。
 配慮ってやつも出来るみたいだな、……見直したぜ。」


「ふふ、藍斗は、僕のお気に入りだからね。
 そんな、その辺の野獣みたいなのと一緒にしないでもらいたいよ。」


「雨宮が、お気に入りなんて、……意味深だね。
 明日は、…………槍でも降るんじゃないのかな?
 藍斗の無事を、陰ながら祈らせてもらうよ。」


「雨宮先輩のお気に入りとか、正直どうでも良いんですけど、
 ……もう、用も済んだ事ですし、入りませんかぁ?
 流石にそろそろ、……寒いんですけど。」

























「そうだな、そろそろ行くか。」


「空気を読んだ後の風呂は、さぞかし気持ち良いんだろうね。」