「…………んっ、……ふぅ、…………ぁ……。」


風呂場に響き渡る、生々しい喘ぎ声。
生々しいというのは、グロテスクとかいう意味ではなく、
色気がむき出しになっているという意味である。
男子校という、隔離された環境下に慣れている彼らを興奮させるには、
それは十分な代物だった。



































「うわぁ、……俺、悠里先輩の喘ぎ声って、初めて聞いたかも。」


「俺は、前に一回だけあるぜ。
 前に、犯されかけてた所を偶然通りかかって助けてやったんだ、
 …………懐かしいな、……つうか、俺、それがきっかけで仲良くなったんだっけ。」


「やっぱり、狙われちゃうんだね……。
 可愛くて、かつ、か弱い男子は、野獣の餌食になっちゃうって所か。」


「僕は、藍斗なら問題ないと思うけどね。
 その辺の、……くだらない野獣なんかとは違う気がする。」


「やっぱり、……藍斗は、何か重大な秘密を抱えている気がするな……。
 言ってくれるまでは、詮索なんてしないけどね……。」






























上から、凪、郁斗先輩、雨宮先輩、雅先輩、そして夏川先輩だ。
引き続き、彼らは、小声で話していた。
少々寒いが、真冬ではないから、何とか持ちこたえている。





















「アイツの理性が保つかどうかにも、よるけどな。」


「そうだね。
 でも、…………大丈夫みたいだ。」