「俺さ、……実は、な…………。」



こんな事をしてしまったからには、やっぱ、悠里には話しておきたい。
悠里が、柔らかい笑顔でコクリと頷いたのを見て、悠里なら、
きっと俺の事を分かってくれる。
そう思って、俺は、話を切り出した。





















「時々、心の奥底で欲望が渦巻くんだ。
 俺を、深い孤独から、寂しさから解放しろ、っていう、
 強い叫びが、俺の中で響いて、それで、……自分がコントロール出来なくなる時が
 あるんだ……。
 理性が効かなくなって、…………人肌が恋しくなる、……っていうのかな。」



そこまで言って、俺は、口を噤んだ。
やっぱり、こんなの、言った所で言い訳にすぎないじゃないか。
傷つけた事に変わりはないし、逆に、傷に塩塗ってるようなものなんじゃないのかな。
そんな俺の様子を見て、悠里は、何を思ったのか、口を挟んだ。








「…………そっか。
 それなら、……良いんだよ、いつでも触れてくれて……。
 何か、訳があるみたいだけど、ここでは、そういうのは気にしなくて
 良いんだから、…………ね?
 僕なんかに甘えた所で、藍斗の中の欲望が満足するなんて思えないけど、
 ……でも、僕なんかで良かったら、その、……僕は、大丈夫だから。」