俺は、脱衣所の一番左端で、制服を脱ぎ始めた。
隣には悠里がいる、……どうやら、俺の事を相当気に入ってくれたらしい。
そして、一つ一つボタンを外していくと、小柄ながら、程よく筋肉がつき、
引きしまった体躯が露わになる。
サラリと制服を脱いだ瞬間、感じる、俺以外の全員からの視線。















「へぇ、……。」


「こりゃすげえな。」


「華奢な身体だね、……ご飯は、ちゃんと食べなきゃ駄目だよ?」


「これは、……思っていた以上だ……。」


「藍斗、……凄く綺麗だよ……。」


「うわぁ、……これ、見惚れちゃいそうなんだけど。」




上から雨宮先輩、郁斗先輩、夏川先輩、雅先輩、悠里、凪の順番。
まじまじと、凝視するような視線を感じた俺は、
恥ずかしくなって、思わず頬を朱に染めた。
いや、だって、純情な少年っていう、……演技は大事じゃない?
モデルやっているからには、身体見られるのが仕事みたいなものだし、
本当は全く恥ずかしくなんてないんだけどね。















「やべえな、……俺、こいつの事は、気に入らなかったはずなんだが……。」


「俺、……最近、何か飢えてるからなぁ。
 先輩だろうが、……俺は、全然容赦する気ないし。」


「狙ってんの? ってぐらい、……そそられちゃうんだけど。」





この声は、聞いちゃ駄目だ。
うん、何か、間違ってる気がするもん。
男が男に欲情する事に、俺は偏見の目は向けない。
だが、……自分が犠牲になるのは、何ともいたたまれない。