Secret Prince

「藍斗、撮影の間ずっと、ぼーっとしてたよね。
 あのカメラマンの人は、その物憂げな表情が良い、とか
 言ってたけど、・・・・・・・何かあったの?」


楽屋に戻る時、凪に声をかけられた。
・・・・・・・って、やっぱ呆けていたみたいだ。
まぁ、どうやら、撮影には支障を来してないみたいだけど。





















「・・・・・・いや、何でもない。
 ただ、この仕事も案外悪くないな、って
 思っただけだ。」



そう言うと、凪は少し考え込むような素振りを見せた。




























「んー、確かにそうだね。
 俺は、スポーツしてる時と、モデルの仕事やってる時、
 そう思うよ。
 スポーツをやってる時は、全てを忘れられるような気がする。
 ・・・・だって、ヤクザの総長として色々とやらなきゃいけない事も、
 ・・・・・・・・藍斗が背負い込んでる事も、見なくて済むから。」



そう言って、寂しそうに笑った凪の微笑みが、
俺の心を深く抉った。