~総統side~









「そろそろ、・・・・・・・・巣立ちの時か・・・。」



俺は、誰もいなくなった部屋の中で、
ポツリと呟いた。
後ろ手に手を振りながら去っていく姿は、
俺がアイツを拾ってやった時、12年前とは
比べ物にならない。





























「大事な人材が一人いなくなってしまうのは、
 残念と言えば残念だが、・・・・・それでも、
 これくらいで廃れるようなAppleじゃない。
 だから、・・・・・・・・自らの使命を全うし、
 する事がなくなったなら、・・・・・・あるいは、また、
 ここに戻って来てくれたら良い。」



漠然とした虚無感と、同時に、自分にはなれないものに対する、
切実な憧れと、そして、酷く清々しい感情を覚えたような気がした。