Secret Prince

そう言ってやると、凪は、観念したのか、
軽く息をつき、スッと両手を上げた。
それを確認した俺は、完全にオーバーヒートしているで
あろう凪の身体を起こして、背中を優しく擦ってやる。
身体を起こしてやった時に、微かに呻き声を上げたが、
暫く背中を擦ってやっていると、息も落ち着き、
俺の方へ向き直ってきた。



























「あんた、・・・・・・・・・・歌手でもやってんの?」




「あー、・・・・・・・・・バレたか。
 現役歌手で、ついでにモデルだよ。」
































もう、この際だから、全部ぶちまけてやる。





「10歳でデビューして、一時は、日本の頂点に君臨した、
 あの『愛里』だよ。
 ちなみに、CDのパッケージに写ってる女の人はレプリカで、
 本物は、この俺。
 モデルの方は、身体晒さないといけないから、
 替え玉は使えないけどな。
 それでも、ちゃんと女にはなりきってるぜ?」



そう言いながら、不敵な笑みを浮かべる。