「敵が目の前にいるのに、余所見とはやるね。」



「くっ・・・・・・・・・・。」








凪の俊敏な蹴りは、正確に、俺の腹部を捉えていた。
俺は、かろうじてかわすが、若干掠ったかもしれない。
それだけでも、ズシンと重い痛みが、ほんの一瞬走った。
明らかに、前のようにはいかない事が分かる。
まさか、前のは本気じゃなかったのか?
































だからといって、俺も反撃しないわけにはいかず、
攻撃をかわしながら、隙を窺う。
どんな強者でも、いつか必ず隙ができるものだ。
俺達は、少なくとも、総統から、そう教えられていた。