てなわけで、俺も、思わず聴き入っちゃったよ。
まぁ、選ぶのは、俺じゃなくて藍斗だからな。
もうちょっと捻くれてたら、そこの理解も出来ていなかったかも
しれない。
歯止めの少し効く自らの人格を、今だけは、ほんのちょっぴり
ありがたいと思った。























「ふふ、やっと分かってくれたんだね。
 まぁ、俺の本来の目的は、そこまで考えてなかったけど。
 ・・・・あんたが言うのなら、それに従わせてもらうよ。
 そして、藍斗が決断するまでは、『新緑の剣』の力を以て、
 この学園を守ってほしい。
 俺も、この学園に着いた瞬間から感じていたんだ。
 妙な、禍々しい気配を。
 藍斗が選び取らなければ、俺が、残り少ない力を全て捧げて、
 この学園の闇を封印してから、眠りにつかせてもらう。
 藍斗が選び取ってくれたなら、俺は、永遠の安息の眠りにつくと
 共に、藍斗の心の中に在り続けるよ。
 ちょくちょく出てきて助言、なんて事は出来ないけど、
 それでも、間接的に勇気を与える事ぐらいは、眠っていても
 出来るさ。
 統べる者は、統べる者を眠らせている主を助ける事も
 出来るからな。」





「あぁ。
 というか、理事長室のカードキーなんて渡さなくても、
 俺なら、全校生徒の筆跡くらい覚えてるけど?
 どうせ、侵入の目的は、挑戦状でも売りつけられて、
 ご丁寧にお買い上げたから、それを書いた奴を後悔させたい、
 ・・・・・・・・って所じゃないのか?」


























やっぱ、あんたには敵わないよ。
『四光』の中で、最も切れ味の鋭いトークを展開し、
俺とは別の意味で、相手を翻弄する。