『紅き涙』を所有する者は、基本的に気まぐれで、
俺みたいに、過去自体が捻くれてるような奴は、
もはや、クレイジーの域に達しているのかもしれない。
だからといって、俺は、それは悪いとは思わない。
だって、そういう感情だから。
魔力と美を司る人間は、それぐらいズレていないと、
宝石の管理が務まらないから。
生半可な人間が使おうとしたって、逆に乗っ取られるのが
オチだろう。




























そんなこんなで、捻くれてる上に、S気質も強い俺は、
雅先輩の羞恥を煽り、言葉巧みに攻めていく。






「ねぇ、もう諦めなよ。
 これ以上やったら、あんたが逆に抜け出せなくなるよ?
 『紅き涙』は、美と、そして、魔力を司る。
 相手は勿論、俺自身の心をも飲み込む、危険な媚薬なんだよ?
 ・・・・・別に、俺はどうでも良いんだけどね。
 『虹の四光』が作り出せなくなったとしても。
 宝石のエネルギーのバランスが崩れて、逆に、正義を
 司る4つの宝石が、闇の世界を創造する立役者になっても。
 俺は、藍斗の望む方向を選ぶだけだから。
 藍斗が全てを知った時に、・・・・・・・・・ね。」