「……へぇ?
 見かけによらず、強いんだ。
 ちなみに、郁斗は、この寮で唯一の、純粋な不良だからね。
 しかも、僕や雨宮と同じく3年。
 見た目と冷たい雰囲気から、ファンも多いんだけど、売られた喧嘩は買うし、
 自分から喧嘩を売る事も、時々あるんだ。
 血の気多いと思うかもしれないけど、
 まぁ、その、……いつもの事だから、気にしないであげてね?」



気遣ってくれているのか、それとも、ただ単に毒を吐いているだけなのか、
……どっちなんでしょうか?












「はぁ、……何かよく分かりませんけど、……分かったって事にしておきます。」


……まさか、今の心境を正直に、なんて言えるはずもなく、
もう何も言える気がしなかった。
一言一言が重すぎて、……ただ、ただ、圧倒されていたんだと思う。
















「んー、まぁ、それはそれとして、……藍斗君。」



何か、……切り替え早いよ、この先輩は。
寧ろ、これから言われる事の方が本題なんじゃないかとも思う。












「はい?」



「何を隠してるの?」



「…………は?」