Secret Prince

「潜入調査の最前線、ね。
 それじゃあ、せいぜいアメリカの方で、
 身体能力・ポーカーフェイス・誘惑・頭のキレでも
 磨いてきますよ。
 留学がてら、仕事のための準備も忘れず、だろう?
 くくっ、・・・・・・・・・・・了解しました、
 ・・・・総統・・・・・。」




こんな性格の悪い部下が、どこにいるだろう。
社長に逆らう平社員なんて、絶対こんな態度は取れないだろうな。
俺は、内心哀れみの念を抱きつつ、忠誠を誓うポーズを取る。
ただし、言ってる事とやってる事は、全く釣り合ってない。
ある意味、正反対すぎて中和されてるぐらいだろう。
































「もし暇があれば、その生意気な性格とやらも矯正してきて
 くれたら嬉しいんだがな。
 まぁ良い、今から10分後に、アメリカへ出発する。
 ミーシャも連れて、1階エアポート前まで来い。」



最初の方は、酷く皮肉めいた口調で。
後半は、事務的に、淡々と。




























俺は、その言葉と同時に駆け出した。