Secret Prince

「一応言っとくけど、次はないからね。」



今ので、大体、総統のパターンが読めた。
要は、本気にさせないラインをじわじわと攻めて、
最後に、一気に快感を与えてやれば良い。
何となくだが、総統は、負けた事がない分、
プライドは酷く高い気がする。
それを突き崩してやった時の総統の表情を見てみたい、とは
思ったが、俺だってもう1度堕ちない保証はない。
だから、本音であり、精一杯の強がり。
正直な所は、二度と対峙したくない、ってのが一番だ。


































「ふっ、上等だ。
 まぁ、今日の所は、これでお開きだ。
 皆には、『なかなか良い線を行っていた、と
 総統が言ってた。』とでも、言っておけば良いさ。
 お前には、潜入調査の最前線に行ってもらう事にした。
 アメリカから戻ってき次第、早速仕事に取りかかってもらう事に
 なると思う。
 くれぐれも、精進を怠るなよ?」




総統の低い声が、今の躯には、かなり堪える。
腰にクる声って、おそらくはこういう声の事を言うんだろうな。
おそらく、これも確信犯なんだろうけど。
まぁ、答えは勿論。