「さぁ、今日は、新たな仲間を温かく迎え入れるための
 歓迎会だ。
 存分に楽しんでくれ、今日という日の、夜の無礼講を。」



そう総統が言うと、ワァッと大広間が歓声に包まれた。
そして、皆、俺の方へと駆け寄ってきた。
俺は、一人一人と挨拶を交わし、やっと全員終わったと
思った時には、一時間近く経っていた。




























「藍斗、お疲れ様。」




不意に声をかけられると同時、ふわっとした感触と同時に、
肩を抱かれた。




















「あぁ、悠か。
 大分疲れたよ。
 前に出て話すよりも、挨拶回りの方が疲れる。」




俺は、率直に、本音をぶつけてやった。
本音というか、寧ろ、愚痴に近かったけど。
でも、悠は、黙って、俺の話を聞いてくれた。

























「ふふ、挨拶回り忙しかったみたいだから、
 声はかけなかったけど。
 ま、今はお腹空いてるでしょ?
 早く食べなよ、藍斗の歓迎会なんだし。」






ね? と優しく語りかけてくれる悠の声と、
俺自身の食欲には勝てず、くたくたになってはいたが、
やっとの事で、食事にありつく事が出来た。
でも、声かけてくれなかったのは、悪質だと思うぞ?
助け舟出してくれたら、もう少し早く終わったかも。
・・・・・・・・・もう良いか、ご飯は美味しいし。