【今は疲れてるから、そっとしておいてほしいんだ。】




本当に、疲れてるような声色だ。
俺は、知らない間に、ビオラを傷つけていたのか?
無知なのは罪だ、と、改めて思った。




























【でも、あえて一つだけ言うなら・・・・・・。】





何だ?
何を聞かせてくれるんだ?
今、言葉が通じ合った事で、俺とビオラは、
二つの別物じゃなくて、一つになれたと思うんだ。
だから、遠慮なんかしなくても良いんだ。






























【やっと、一方通行じゃなくなって、・・・・・・・嬉しい。】





その一言を残して、俺の中にいた誰かは、すうっと、
霧に溶け込むように消えて行った。