Secret Prince

ドカンドカンドカンドカンドカンドカン!





「ねぇ、悪戯も大概にしないと、本気でこの壁、
 壊しちゃうよ?
 こんな屋敷作るぐらいだから、どうせ、すぐ改築ぐらい
 出来るんだろうけど、大切な建造物を、人間の足で
 壊されたくはないでしょ?
 いい加減、・・・・・・・出てきなよ。」







ビオラは、笑顔で壁を蹴り続けているが、
目は全く笑ってない。
何か、明らかに、本気だ、マジだ。
ヤバイだろ、これは。
ただならぬ威圧感を放つビオラに、俺は、
腰を抜かしそうになった。
































壁を蹴る音で、ドカンドカンドカンドカンって
どんだけだよ。
こんな華奢な躯のどこに、そんな力があるんだと
思ったが、はっきり言って、今更だなと思った。






























ビオラは、言うなれば、藍斗の潜在意識の塊だ。
藍斗がピンチになった時に、藍斗の意識を代償に
出てこられる存在。
計り知れない力が隠されてるに違いない。