「これは、・・・・・・・・鬱の呪縛だ!
 惑わされちゃ駄目だ、これは幻覚だ。」



俺は、悠の血相を変えたような表情に動揺したが、
とりあえず、幻覚だと思うようにしてみた。
が、やはり、足は拘束されたままで。
俺の動揺を煽るには、十分すぎるものだった。
見ると、俺の足の裏に吸いついている吸盤のような
ものから、細い糸が見え隠れしている。






























「う、・・・・・・・・・くっ・・・・・・・・・。」



その糸は、俺の足に絡みつき、縛り上げ、
少しずつ、足の上方へと這い上がって来る。




























「うぁ、・・・・・・・痛い、・・・・よ・・・・・・・。」





気付いたら、反対側の足も全く動かなくなっていて、
俺は、ますます動揺した。