Secret Prince

「まぁ、来るのは分かってたけどな。
 ドアを開ける所までは合格だが、その後に、
 藍斗は、致命的なミスをしてる。
 ・・・・・・・・・分かるか?」



目覚めたばかりだというのに、もう、完全に覚醒している
悠が、俺に問いかけてくる。
口元には、薔薇の微笑みを湛えて。




































「こんな事したの初めてだから、分かんない・・・・。」




俺は、思ったままに答えた。



































「俺はな、完全に眠っているように見えて、
 実は、そうじゃないんだ。
 だから、ちょっとした周りの変化にも、すぐに気付く。
 お前、そこのドア、焦っていたからか、閉め忘れただろう?」



そう言って、悠は、開けっ放しのドアを指差した。