その後、風呂から出た俺達は、交代で頭を乾かした。
俺は、自分でやるって言い張ったんだけど、悠が聞いて
くれなかったから、今、俺は、悠に頭を乾かしてもらって
いる。



































丁寧に、優しく、壊れ物を扱うかのように、何度も何度も
俺の髪を梳いてくれる。
ブラシがあるから使えば良いのに、わざわざ、手櫛で
やってくれている。
俺は、その手つきが心地良くて、瞼を閉じて、
その感触を味わっていた。










































「ん、乾いたぞ。
 ・・・・・・・・・・・・藍斗・・・・・・・・・?」



どこからか、声が聞こえる。
完全に眠っていた意識が、徐々に覚醒していく。