~雨宮side~










インターホンごしに聞いた声。
声の質を聞いて、すぐにピンときた。
普通の人が聞いたら、何の疑いもなく受け入れてしまいそうだけど。
対面していなくても、作ったような声だと思った。
おどおどしたような、女々しい男の声、……だけど、本性はきっとえげつない。
こいつは、正真正銘の猫被りだ。
ポーカーフェイスを装っているみたいけど、バレバレだよ。
面白かったから、気付かないフリをした。



























最初は、本当にこれだけ。
言ってみれば、ただの好奇心。
だけど、いつの間にか、君は、僕にとって、特別な存在になっていた。