「……あぁ、構わない。
 それで、……何があった?
 相談するからには、全部話してくれよな。」



そっけない口調だが、ミーシャは、仕事の話になると、
途端に、声に表情がなくなる奴だから、俺は、もう、慣れている。
ぶっきらぼうに思われるそれの中に、溢れんばかりの心配や、
思いやりや、温かい感情が込められている事も、十分すぎるほどに、
俺には分かっている。
コイツは、俺が組織に入った時からの、相棒だから。























「ターゲットと思われる奴に、だな、……堂々と、宣戦布告された。
 俺が、今日から1ヶ月、俺の身を守り抜けば、俺の勝ち、
 俺の身が危うくなったら、相手の勝ち、っていう、ゲームらしい。
 それで、これは質問なんだが、このゲーム、現時点で、
 俺が勝てる確率は、何%になる?」



雨宮先輩の、あの自信に満ちた表情が引っかかったんだ。
俺の力量を分かっているのか、分かっていないのか、
分かっていたにもかかわらず、そこまで自信があるのか、
何も掴めないのが歯痒かった。




































「今の話を聞く限り、藍斗がそのゲームとやらに勝てる確率は、
 60%くらいじゃない?」



突然、俺の耳元に囁かれた、冷静な、
それでいて、無邪気な、明るい調子の声。