俺が何も言えずにいると、彼は口を開いた。




「ま、生徒会長である俺が、気に入っちゃったからね。
 この先どうなるかは分からないけど、……ふふ、期待してるよ?」





俺でも鳥肌が立つような、毒入りの綺麗な微笑みを湛えて、彼は言い放った。






























俺は、逃げるように階段を駆け上がった。
あんな奴、今までで初めてだ。
出来る事なら、二度と関わりたくないが、俺の勘はよく当たる。
それが、嫌な事であればあるほどだ。
雨宮先輩は、……絶対に関わってきそうな気がする。
























「はぁ、……、意外に、波瀾万丈になりそうかな?」



俺は、部屋に入るなり、盛大に溜め息をついた。
簡単すぎるのもつまらないが、あまり大事にはしたくない。