Secret Prince

~その他side~







「時間がないから手短に言うけど、
 ……藍斗が不審がるから、そんな重々しい雰囲気変えて、和やかな感じで、
 いつも通りに騒いでよ。
 ……大丈夫、普通にしていれば、問題ないからさ。」



台所に戻るなり、重苦しい沈黙を破った雨宮先輩。
有無を言わさぬ口調で、だが、威圧感のようなものは、微塵も発していない。
流石に、生徒会長ともなると、ポーカーフェイスが上手いのだろうか。






























「廉、まさか、……藍斗に、喧嘩、売ったんじゃ……。
 (廉の奴、何する気なんだ?)」


雅先輩は、いち早く、事の真相に近付いた。






「生徒会長様は、本当に謎な人だよなぁ。
 (本当、3年間、同じ寮で一緒に居ても、全く掴めない奴。
  ある意味、俺を編入早々負かしたアイツの、
  慌てふためく表情ってのも見てみたいけどな。
  だが、容赦なさそうなのが怖えよ。)」


郁斗先輩は、ヤンキー顔負けの、内に秘めた威圧感を感じ、
戦慄を覚えながらも、面白そうな展開に、微かに口角を吊り上げた。







「……まぁ、何となく分かったよ。
 普通にしておけば良いんだよね?
 (……藍斗、気を付けた方が良いよ。)」


夏川先輩は、絵描き特有のセンスの良さで、
雨宮先輩の只ならぬ雰囲気を感じ取った。








「雨宮、先輩……。
 (何があったんだろう……。
  まぁ、要するに、……普通に振る舞えば、問題ない、……んだよね?)」


悠里は、事の展開が全く読めないながらも、
普通に振る舞えば問題ない、と納得した。









「補佐に、できたんですか?
 (まぁ、たぶん、その表情を見るに、無理だったと思うけどね。
  くくっ、……俺は、陰ながら、見守らせてもらうとしますか。
  何せ、面白そうだし、……ふふ。)」


凪は、さりげない口調だから、腹の底では、
これから始まるカーニバルに戦々恐々としつつ、楽しんでいた。