「…………。
 (さぁて、ショーは華やかに、鮮やかに。
  そして、滞りなく、手際良く。
  こなしていかないとな、・・・・・客と言えども、
  土足で舞台に上がるようなお客様は、端から願い下げだ。)」




「…………。
 (ふふ、僕のお気に入りの、……可愛い、ビオラ。
  役者は役者らしく、舞台の上で踊っていれば良い。
  役者は、監督には逆らえない、って事、……じっくり味わわせてあげる。)」






























双方の心の奥底では、スポットライトに照らし出された役者達が、
続々と、舞台へと上がっていく。
沸き上がる拍手喝采、観客は立ち上がり、
心酔したような表情で、役者達の登場を出迎える。
それぞれが歌い、踊り、演じ、華やかに美しく、舞台を彩る。
やがて、役割を終えた役者達は、一人、また一人と、舞台袖へと戻っていく。
と、その時。