「俺は、ここで、あと2年間平穏に過ごしたいだけです。
 そういった事は、言われる筋合いがないと思いますが?
 いくら生徒会長さんでも、……一個人に干渉できる権利はないかと。
 この学園で通用する事も、社会に出ると通用しないものですよ?
 生徒会長さんなら、ルールを破る事がどういう事かくらい、分かりますよね?」




























本当に、思わず、本音が零れてしまった。
いや、平穏に過ごすというのは建前で、実際は、それは、ただの手段でしかない。
本当の俺の姿は、淡々と任務をこなす、ただの仕事人。
いや、それは、この際どうでも良いんだが、こういう挑発を軽くあしらう事だって、
俺には出来るはずなのに。
































「確かにないね。
 でも、この寮の寮生達は、一筋縄ではいかないよ?
 さっきも言ったけど、ここの人達は濃いから、ね。
 ……ふふ、まぁ、そこまで言うなら、……お手並み拝見といきますか。」



彼は、妖艶に微笑んだ。
一個人に干渉される筋合いはないのに、……何だ、この得体の知れない威圧感は。
とはいえ、俺の中の本能が、警鐘を鳴らすと同時に、妙な高揚感に襲われる。
楽しくて仕方がない、本当の俺は、どんな仕事も、綺麗な駆け引きでこなす、
……一流の、ギャンブラー。