言うまでもなく、振り向いた先にいたのは、一年後輩の凪だった。
しかも、視線が合った瞬間、あからさまに怪訝そうな表情をされた。
俺、…………何か、恨まれるような事、したか?























「悪かったな。
 俺は、生まれてから一度も、幸せなんてものに、
 巡り会った事はねえんだ。
 それから、今の事は忘れろ、すぐにでも、な。」




わざと、嫌味っぽい口調で、返してやる。
自嘲的な眼差しは、オマケだ。
でも、幸せに恵まれてないのは本当だから。
もう今では、幸せって何なのかも、俺には分からないけどな。