「じゃあな。
 俺に喧嘩売った事、……せいぜい後悔するんだな。
 生憎、俺はもう、あんたの事、ブラックリストの片隅に載せたから。
 …………悪く思うなよ?」


そう言い残して、俺は、その場を去った。
勿論、振り返るなんて、寒々しい真似はしない。
























だから、奴の呟きが、俺の耳に届くはずはなく。






























「栗代藍斗、君……か。
 ふふ、今まで色んな奴を退学やら、社会的に立ち直れないような位置にまで
 追い詰めてやったけど、……今回は、ちょっと、仕掛ける相手を間違えちゃったかな?
 うーん、……まぁ、とりあえず戻ろうか。」


彼は、クスクスと笑いながら、誰に言うわけでもなく、呟いていた。
その呟きは、風に乗って消えていってしまったが、彼の決意は強いものであろう。
そして、彼は、後に、自身の軽率さを後悔する事になる。