Secret Prince

これは、完璧に、俺に喧嘩を売ったな。
生憎、ここまでされて手加減してやれるほど、俺は、善良な人間じゃねえんだよ。
喧嘩という言葉だと、少々語弊があるかもしれないから、
言い直しておくと、……俺に害なすもの、俺を苛立たせる全てのもの。
ていうか、俺は、される側じゃなくて、する側なんだよ。
色々な意味で俺を見誤ったあんた等に、俺は、制裁を下す。
それこそ、さっきの言葉を使わせてもらえば、……二度と立ち直れないように。
あ、これは前にも言ったかもしれないが、精神的社会的抹殺、ってやつだよな。














「あんた等は、俺に、喧嘩を売ったな……?」


確かめるように、問いかける。
一瞬、周りの獣共が身じろぐのが分かった。
















「……せいぜい楽しませてくれよ、な?」



俺は、そう言うなり、俺に証拠を刻み込んだ、斜め右前方にいる奴の脇腹に、
右足を使って回し蹴りを喰らわせ、開いた隙間から飛び退き、距離を取った。
これは、俺の宣戦布告。
もう、あんた等は逃れられない。
俺の領域に、もう十分入ってしまったんだから。
俺は、誰かも分からないような人間を、気安く自分の領域に入れたりはしないし、
入れさせもしない。
それを分かっていないあんた等は、ただの馬鹿だ。