Secret Prince

「そうそう、自己紹介を忘れていたね。
 僕は、親衛隊総隊長、新名椿(Tsubaki Niina)。
 以後、お見知り置きを。
 あの方々に近付いてしまった事、せいぜい後悔すると良いよ。
 たとえ不可抗力でもね、……やって良い事と悪い事があるんだ。
 今から、それを教えてあげるんだ。
 ……ふふ、それじゃあ、お喋りはこれぐらいにして、……そろそろ始めようか。
 二度と立ち直れないように、……皆、ヤっちゃって。」



そう言うと、野蛮な獣共が、一斉に俺に向かってきた。
俺の恐怖を煽るつもりなのか、態とらしいまでに緩慢な動きで、
しかも、舐めるような目つきで俺を見ている。
……心底うんざりだ、というよりも、興醒めだ。

























ちなみに、俺が今いる所は、人気のない森の中。
校内に森があるって事自体、ありえないと思うのだが、
この学園は、敷地面積が半端ない事になっているのだ。
あ、ちなみに、何で俺が森の中にいるかっていうと、
丁度、寮に戻ろうとしていた時に、背後から気配を感じたんだよな。
で、いかにも俺を狙っているような感じだったから、何食わぬ顔で、
第3寮の近くにある、広大な森の中に入っていった、ってわけだ。
俺の狙いは、勿論、人気のない所で思いっきり動きたいから。
だって、人に見られると、色々面倒だろう?
向こうも、それは同じだったみたいで、あっさりと乗ってきた。





















……ふふ、馬鹿な連中だよな。
というわけで、今からそれをたっぷりと後悔させてやるつもりなんだが、
その前に、……念には念を、入れておかないと、な。