声をかけられた瞬間、あからさまな敵意を感じて、
俺は率直に、分かりやすい奴だ、と思った。
それは、ある意味、俺流の好意。
やり方に問題がある気はするが、実際に心酔してしまえば、
そうも言っていられないだろう。
手段は選ばない、そんな風に一途な奴は嫌いじゃない。


























「君が、あの第3寮に編入してきた子だよね?
 まだ編入して1日目で、分からない事も多いだろうから、
 この僕が、特別に教えてあげるね。
 この学園の、……掟っていうのを、ね。」



そう言って、そいつは、不敵に笑った。
そして、徐に、スッと片手を上げた。
同時に、獲物を狙う獰猛な獣、ガタイの良い、ついでに質の悪い男共が、
どこからともなく湧いてきた。