「……あぁ、俺は、そんなにヤワじゃないさ。
 ミーシャ、……ありがとな。」



精一杯の笑顔でそう言ってやると、その表情さえもが痛々しかったのか、
酷く優しい手つきで頭を撫でられた。
やっぱ、こいつは、簡単に俺の心の垣根を乗り越えてくる。
でも、何故か、警報ブザーは鳴らない。
つうか、そんな事されたら、……泣きたくなってくるじゃん。
……まぁ、俺の意地にかけても、絶対泣いてやらないけどな。


























「何か、仕事の方で困った事があれば、いつでも言ってね。
 今回の仕事、あくまでも、俺の勘だけど、厄介な事になりそうな気がするんだ。
 いざとなれば、連携プレーで何とかしてあげるからね。」
 

そう言って、俺の頭を軽くポンポンと叩いた。
気持ちは嬉しすぎるが、学校生活の一環で、この学校にいる、
ミーシャを煩わせるような事はしたくない。
たまたま、同業者の通っている学校が、俺の仕事場になってしまった、と
考えれば良いんだ。



















その時の俺は、まだ想像もしていなかったから。
この仕事の、本当の意味での厄介さを。