俺の心配をよそに、ワァッと、教室中が歓声に包まれた。












その時、春日が、耳元で、俺にしか聞き取れない声量で、こう囁いた。


「自覚してる分、俺からすれば、更に悪質だ。
 このクラスでは、間違ってもそんな事はないだろうが、
 ……万が一、親衛隊なんかに目をつけられたら、
 お前、暴力よりえげつない目に遭わされるぜ?
 ま、大丈夫だとは思うが、……せいぜい気をつけろよ。」







自覚しているから出来る業だろう?
男の悦ばせ方なんて、重々承知なんだよ。
腹黒相手だろうが、……天然には少々振り回されるけど、
……どんな相手にも、人間的なツボっていうのがあるんだ。
俺の特性は、ターゲットのツボを熟知した上で、緩急をつけて、
そのツボを丹念に解していく。
そうやって、堕落させる事で油断させて、最後にはポイ、だ。
復讐されるのは御免だから、完膚無きまでに叩きのめす。
二度と立ち直れないくらい、精神的に、それから社会的に。










あー、あと、……あんたにだけは言われたくねえよ。
この、……独裁者ヘビースモーカーホストが。