台所に行くと、雨宮先輩、夏川先輩、雅先輩、凪の４人が座っていた。
まぁ、無愛想な奴だと思われないように挨拶をしてみた。













「おはようございます、先輩方。
　凪も、おはよ。」


「おはよう。」


「おはよう、藍斗。」


「ふふ、おはよ。」


「はよー。」

















こんな風に、まともな環境で、挨拶出来る日が来るとは思わなかった。
今までの潜入場所が、学校なんかじゃなかったし、
そもそも、幼少からの生活環境が、こんな日だまりのような風景じゃなかったから。
少なくとも、総統に出会うまでは、……俺は、……絶望の淵に立たされていたから。























「朝御飯は、軽い物しか作らないんだ。
　皆、あんまり食べないからね。
　だけど、食べないと健康に悪いし、……だから、藍斗も遠慮なく頂いちゃってね？」


夏川先輩の、茶目っ気たっぷりに笑った表情は、本当に見ていて和む。
ていうか、軽い物とか言ってるけど、サラダにトースト、
玉子焼きにご飯に味噌汁、……と、和風とも洋風とも言いがたいが、
朝御飯とは思えないくらい、味気がある。
それに、他の人にはない、何とも言えない温かさを感じる。