渇望男の潤いペット2

このっ…この男は!!


俺は怒りで…あまりにも強い怒りで、我を忘れていた

このまま死ねばいいのに…

強く願うようになる

血が飲めないようになればいい…

椿は俺が守る





父が仕事に出掛けた後、俺は山中さんを引き止めた

「山中さん、彼女に輸血は可能ですか?」

「可能です…。出来ればそうしてあげた方がいいでしょう」

山中さんは30代後半の、ちょっと陰気な感じの男の人だが、少し安心したように笑ってくれた

どうやら、同じように椿を考えてくれているらしい…

「自分は、彼女と同じ血液型なのでやってあげたいんです」

「わかりました…では、一度戻って準備をしてきます…」

そう言ってドアに手をかけた山中さんの白衣を見て、俺はふと思い付いた事があった

「山中さん…」

「はい?」

「山中さんのお知り合いに、産婦人科医はいますか?」

「産婦人科医?…まあ、おりますけど…」

山中さんは不思議そうに頷く

「その人も…山中さんみたいに信用できますか?」

「…彼女は、利口で野心家なので、うまく利用すればやり遂げてくれます」