「父さん!落ち着いてください!!」

「黙れ、全!やれ、やるんだ!!」



父さんは次第におかしくなっていた

椿の血を毎日毎日欲しがるようになり、その量も規定の量を越え始めていた

毎日特注の料理が運ばれてくるのだが、すでに肉ばかりになりつつある…

椿は…危険にさらされてきた



医者の山中さんすら、もう父さんの豹変をおかしく感じている

手がつけられなくなってきていた



「どういうことなんだ…」

ため息をつきながら椿の隣に腰かける

椿の腕には、注射の痕がかなりついていた…

「おかしい…」


俺が頭を抱えると、椿が重い口を開いた

「私のせいです…」

「え?」

「私の…血が…」

「え?どういう事!?何か知ってるの?」

椿の肩に手をやると、真っ青な彼女が不安げに俺を見つめた

「…若返りなんかじゃない…」



「…え?」

彼女の瞳から涙がこぼれ落ちる

「若返りの薬なんかじゃないんです…」

「…そ、そんな…」

「人の痛みを取るんだとは聞いていました…
本当の事を言っても、納得してくれないだろうって…





ただ…」