「待って…」

「待てない!」

「待ってくださ…」

「待てない!!」

俺は彼女の腕を床に押し付け、怯える彼女を見下ろしていた

手に入るなら、もういい!

どうせここからは逃げられない

頭では「止めろ!」と叫んでいた

でも麻痺だ

これは麻痺だ、魔法だ!

俺の理性は麻痺している

もうどうだっていい

欲しいんだ、ただ、この子一人が

椿だけが欲しいんだ!

「いや…」

「泣いてもダメだ」

「待って…」

「待てない!」

「お願い…」

「ダメ…」

彼女の涙が、余計にゾクゾクさせ俺はもう完全に麻痺していた

彼女の身体に唇を当てていた時だった…

「好きなんです…」

え?…

「ぜ…さん…が好き…なんです」




俺は思わず顔を上げて、椿を見つめた

「何だって?」

「全さんが…好きです」

「俺を?」

太陽じゃなく?

「最初の頃から…」

俺は押さえつけていた彼女の腕の力をゆるめた