家に帰ると留守番電話のランプが点滅している

何の用件かわかるだけに、ため息をついてボタンを押した



「全、ワシだ。明日、早速だが会社に来てくれ…
例の件だ…」

プツッという音と共に切れる

嫌だな…

例の件………

それがどうしても引っかかって…








翌日、不満な気持ちのまま会長室をノックした

「おう、来たか…
じゃあ早速だが頼むぞ」

「父さん、どうしてもやらなければいけませんか?自分にはどうしても納得できません…その…」

「何を言ってるんだ!会社の繁栄の為だぞ!?お前もワシの息子なら、会社の為に生きなければならん!」

「………」

会社の為に…

「その為に、一人の人間をあんな風に…」

「全、アレは人ではない…。人間ではない、ペットだ」

父親の不気味な笑い方に幻滅する自分がいた…

この人に何を言っても今はダメか…

「…わかりました」

俺は父の合図で隠された部屋へと入る



小さな少女のいる部屋へ