「全、この後どうする?」

食事を終えた弥生は、ご満悦に微笑んできた

「どうするって…」

どうしようか…、考えてなかった

「うちに来る?飲みなおそっか?」

笑顔を向けてくる弥生を、どうも素直に受け入れることができなくて

「いや、今日は帰るよ…」

「え!?もう??なんで帰っちゃうの?」

「明日も早いし、忙しいんだよ…」

「何それ?いっつも会えなくて、久々に会えたらまた仕事?」

「…ごめん」

「全、私と仕事、どっちが大事なのよ!」

仕事…

うっかりそう答えてしまいそうになった

「弥生…、」

「私に会いたくなかったの?私の事、忘れてたの?」

「そういう訳じゃない…」

「じゃあ、もう少し一緒にいてよ」

「だから…」

「イヤなの?」

「頼むよ、弥生…解ってくれよ。俺はこれから父の側でこういう風に仕事をしていくんだ。だから、理解してもらえないと…」

「解ってるわよ!理解してるわよ。でも、それは全が会社にちゃんと入ってからでしょ?」

「今だって、ほとんど入ってるようなモンだよ」