数日後、父さんはご満悦で出社してきた


専属の医者を連れて


「全、よくやった!ワシが上手くいったら、次はお前に分けてやろう」

「結構です…あんな女の子から搾り取った血を使ってまで、若くいようとは思いませんから…」

「ふん、頭の固い奴だな…」



父さんは決して部屋に入ることなく、俺は彼女の元へと医者を案内した

彼女は俺に笑顔を向け、血を抜かれることに抵抗しなかった…


そんな彼女に、俺は自分の情けなさを感じていた…






「採ってきたか?よし、どれどれ…」

俺はその光景にぎょっとした


注射器の中の血は、父さんの準備していたグラスの中の赤ワインの中に入れられたから

そうか、考えもしなかったけど、『飲む』のか…


おぞましい気がして、俺は目を逸らした






父さんは終始ご満悦だった




不思議な事は、やはり起こった





血を飲んで3日後、父さんは出社するなり俺を呼びつけた

「全、あの化け物はすごいぞ!」

「何がですか?」

「長年苦しめられていたワシの痛風が、治ったんだ…」