渇望男の潤いペット2

弥生よりも椿との時間が増えていく

「仕事だから…」

と言っても、最近はいい顔をしなくなってきた



椿と会う時間が増えていく度に、闇に襲われそうで俺は恐怖に落ちそうになる

それでも、孤独な境遇の彼女を独りにしておくことも出来なくて

俺はジレンマに襲われていた













「キレイな色だね」

「母親がハーフなんっすよ!だからかな」

「いいな〜」

瞳の色で、スタイリストと盛り上がる太陽を見つめていた

したたかな奴…

でもだからこんな世界で生きている

撮影も順調に進み、俺は黙って見守った



「お疲れ様」

「お疲れ様デス」

休憩中にコーヒーを差し出した

「どう?」

「かなりイイカンジ」

楽しそうに太陽が笑う

「君は楽しそうに仕事をするんだね」

「楽しくなければ、続けてません。でもずっと憧れてたから」

「この仕事?」

「いや、親父」

「…そっか」

「母さんが死ぬまでずっと俺にいい続けていたんです…親父の事」

「そう…」

「だから…」

太陽は俺を見て恥ずかしそうに笑った



そしてまた輝くライトの下に飛んでいった…