そう言われてみると、あの人…
いつまでも変わらない…
いつも若くてかっこいい気が…
でもまさか…
「まさか…」
苦笑いを浮かべて太陽を見つめる
「俺も…そう思いますが、何かあるんですかね…
人魚に愛された人間は、不老長寿にでもなるとか
………そんな伝説は聞いたことないけど…」
「君のお父さんは、お母さんの血を飲んだり、何かしたりしたの?」
「親父は…多分何もしてないと思いますよ。そういう伝説的な事は。ただ…」
「ただ?」
「溺れたって言ってます…魔法にかかったようだと」
「魔法!?」
「そう。渇いて渇いて仕方なくて、でも愛し合うようになったときに魔法にかかったように溺れたって。だから今でも愛してるって言ってます」
一瞬
俺の心臓が震えた
太陽の話がまるで今の自分の感じている闇に似ている…
「まあ、どうでもいいんですけど」
恥ずかしそうに太陽が笑った
太陽とは次の撮影の約束をして、その日は別れた



