便せんに書かれた手紙を、私は泣きながら読んだ。

「こんな手紙、なんで書くのよ……

ほんと最後まで、自分勝手で……」

止まらなくなった涙に、声を押し殺して、泣いた。

「こんな…指輪…だって……なんで、

もっと前に、くれなかったの……」

私は掌に残されたリングを見つめた。

見つめていると、先生と過ごしたいろいろな時が思い出されてくるようだった。

私はリングを手に取って、

それから、自分の指にそっとはめた――。