「嫌だよ……先生……」

私の頭に手をやって、先生がそっと髪をなでた。

「嫌だよ……俺だって……でも、もう……」

先生の言葉が、咳にかき消されて、

私は背中を何度もさすった。

「先生……私、これから毎日来るから、

だから、少しでも長く生きて……お願いだから」

背中をさすりながらそう言うと、

先生は「ああ……」とだけ、かすれたような声でうなずいた。