「先生……信じていいの?」

先生は何も言わず、ただ一度だけ首を縦に振った。

「先生……うれしい……ありがとうね…」

私は、この言葉があれば、生きていけるような気がしていた。

辛い先生の告白に、どう向き合っていけばいいのかわからずにいた私は、

「恋心」というその一言に、救われたように感じた。

先生と生徒としての関係が崩れることはなくても、

私は、耐えていけるのかもしれない……。

待っていけるのかもしれないと思った……。

それが、たとえ先生からの最期の手紙であったとしても……。