キスぐらいしてくれるかもなんて、淡い期待をした。

けれど、先生は「ありがとうな…」とだけ言って、私に背中を向けた。

ただ、ひぐらしの鳴く声が響く中で、

どんなに期待をしても、なんの見返りもないことを、私は悟った。