「あっ…先生」

「おお…宮地か?」

「先生、何してるの?」

「ああ、古い本を修理してるんだよ。

かわいそうだろ? ボロボロなまんまじゃ」

先生は、古くなってきている本を1頁ずつめくりながら、

テープを貼ったり表紙を補強したりしていた。

「なんか、本のお医者さんみたい」

言うと、

先生は顔を上げて、「そうか?」とまたいつもの笑顔を見せた。